蟲封じ

昔から「蟲封じ」という言葉があります。
いわゆる子供の「疳の虫」の対策法ですね。
修験や祈祷師にお願いをして祈願したり
神仏から護符をいただきて玄関に貼ったり。。。
こういう感じで、昔の人は子供の疳の虫を抑えていたようです。
スピリチュアリズムの疳の虫とは、まあ似たような思想かもしれませんが、虫は虫でも「蟲」と考えられていました。一見すると蟲とは悪いものというイメージです。私も、蟲=悪いもの(※シャドウ)と思っていました。
なので、人が持っている悪い面(シャドウ)を封じ込めるのが「蟲封じ」なのかと。
しかし、日々霊界通信をさせていただいてそれは少し違うようだと感じさせられます。
蟲とは、人の持つ悪い面(シャドウ)ではなく、シャドーに蓋をしている「※ペルソナ(仮面)」の部分だという事です。この蓋(ペルソナという名の仮面)は、最初のうちは外せるのですが、やがて外せなくなります。そして、仮面なのか本当の顔なのかすらわからなくなってしまいます。
スピリチュアリズムでは、「全て受容する、全肯定」という思想面を唱えています。
それは、ご自身の良い面だけでなく、(一般的に)悪い面とされている部分も全肯定するという事です。これを言うと「教育上、悪い面を表に出すという事はありえない、危険だ」と思われるかもしれません。
確かに、悪い面だけを全肯定して前面に出して来たら、それは邪悪そのものになります。下手をすれば、サイコパスになりかねません。では、そうならないように全肯定するにはどうすればよいのか。
すべては、統合につきると思います。
良い面も悪い面も、どちらもご自身なのだという事を受容して全肯定する。これが統合の第1歩です。そして、それぞれの場面に応じて、それらを臨機応変に活用していくのです。
この統合が上手にできていない人が多いのです。
私自身もそうです。なので、まずは自分を内観して整理整頓する作業が必要になります。これは、簡単な作業ではありませんが出来ないことではないです。
まずは、自分を知る作業からのスタートなので、自分の良い面・悪い面どちらも見ていくことになります。良い面を見るのは大変ではないのですが、悪い面を見るのはかなり辛い作業になってきます。
それをするには、自己ヒーリングを完璧にして、自分を癒す作業をしておかないとシャドウとの対面は難しくなってきます。自分の癒しがなされていない状態だと、いつまでたっても、悪い面(シャドウ)に蓋をして出さないように自分を偽ります。
そして、自己の統合を阻むこの蓋(ペルソナ)こそが蟲の正体です。
しかし、ご自身がご自身を内観し整理整頓がなされている状態になりますと、「あ、今の自分はペルソナ(仮面)かな」と気づけるようになります。「これが仮面だ!」と気づいたら、その仮面は絶対に外せます。
※ペルソナ(仮面)・・・他者と接する時に、社会から求められた役割を演じようとする機能。心理学者カール・グスタフ・ユング博士が提唱した概念。
※シャドウ(影)・・・ペルソナを演じる時、排除されたり、切り捨てられたり、抑圧される、社会から求められる役割にそぐわない部分。
一部、日本トランスパーソナル学会より引用