英国スピリチュアリズムについて

スピリチュアリズムは、1848年アメリカのハイズビューで起こった「ポルターガイスト現象」が始まりです。

当初は、アメリカで心霊実験(霊魂説の検証)が行われていました。その後、イギリスでも当時の著名な科学者たちが「いかさまかトリックではないか?」と考え、様々な科学的な検証を行います。

その際に、※フレデリック・マイヤース、ウィリアム・クルックス、コナンドイルなど、多くの医師や科学者などが心霊実験の検証に立ち会っています。

 

1882年にS・P・R(英国心霊研究協会)を設立し、科学者と霊媒師で沢山の検証を重ねて行きます。その際の検証は、かなり厳格なものだったようで、当初は真っ向から「霊魂説」を否定するための検証実験だったとも言われています。

ゆえに、霊魂説否定派重視の協会に異論を唱えて、離れていく霊媒や科学者もいたそうです。※コナンドイルなどが有名です。

当時の、心霊実験の詳細を書いた書籍に、「心霊現象を知る辞典春川栖仙編、「※心霊主義」浅野和三郎著などがあります。

しかし、当時の物理型霊媒師たちの能力は卓越したものがありました。現代では、精神型霊媒師が主流のため「霊能力は60%の信憑性」と謳っておりますが、当時のSPRの霊媒師たちは、100%に近い結果を出し続けることが出来ていたようです。

結果、「とうてい否定する事ができない」という結論に達し、「英国スピリチュアリズム」として学問化されていく事になります。「シルバーバーチの霊訓」や「ホワイトイーグル霊言集」「モーゼスの霊訓」等が、英国スピリチュアリズムの代表的な書籍です。

 

日本には、浅野和三郎氏が1900年代初頭に英国より持ち込みました。英語の大学教授をしていた浅野氏は「霊訓」など、様々なスピリチュアリズム本の翻訳や出版をしています。

1921年、浅野和三郎氏は東京心霊科学協会を設立します。これにより、本格的な日本のスピリチュアリズムの幕開けとなりました。

 

英国スピリチュアリズムとは、「たった一人の霊能者が思い込みで書いたであろう」という思想とは全く異なるものです。

 

東京心霊科学協会からは、たくさんの有能な霊媒が排出されました。各自、自身で研究所や団体を設立してスピリチュアリズムの勃興に携わっていましたが、第二次世界大戦後GHQの神道指令により全て解体されてしまいます。

これにより、一時、日本のスピリチュアリズムの停滞期に入りますが、1980年代頃からマスメディアに有名霊能力者が登場し始めます。

その後、再びスピリチュアルブームが巻き起こって来ることになりました。

 

※フレデリック・マイヤース…サブリミナル論を最初に唱えた人物。後に、世界発のテレパシーの発見に繋げます。
※ウィリアム・クルックス…クルックス管の発明者。後の蛍光灯に繋がる発明をした科学者。
※アーサー・コナンドイル…言わずと知れた、有名な小説家。シャーロックホームズが代表作。本業は眼科医だったが、晩年は妖精の研究に没頭していた。

※心霊主義…スピリチュアリズムの和訳。